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先日はgoateatspoem. presents SERIAL HOTEL / room 703 vol.3@7th floorにご来場いただきありがとうございました。goateatspoem.の輪に加われたこと、とても幸せに思います。当初はApsu Shuseiさんの怪談の後ろでの演奏と最後2曲だけ参加の予定でしたが、中島さんからいただいたリハーサルの音源がどの曲も素敵で、結局すべての曲に気がついたらギターのフレーズを付けていて、そしてリハーサルで試してみたらどれも手応えがあり…結局全曲参加となりました。(なのでオープンからクローズまでずっとステージにいたことになります笑)

ライブハウスですが着席で数を間引き、感染対策も十分に徹底されていたと思います。ご来場いただいた皆様に改めて感謝を申し上げると共に、これからの健康をお祈りいたします。この状況下で演奏に参加することの是非を正直悩んでいた部分もありました。その上で参加を決断したライブです。いつも以上に、準備にそして本番に力が入りました。けれど「来てね」とは最後まで言えませんでした。なのであまり告知もできていなくて、集客にご協力できなかったことを申し訳なく思っています。何度もSNSに下書きまで書いたのですが…連日報道される逼迫した医療状況を考えると…投稿するボタンが最後まで押せませんでした。私の中でプライオリティの低いライブでは決してなかったのです。むしろ、今までひとつのライブにここまで真剣になったことがあっただろうかと思うほどです。

8月最後の演奏会の予定だった静かの基地と岩谷姉妹の演奏会「あきのかなしみとオパールの夢」は延期になりました。延期を決断したイベントと参加したイベントについてなにが違うのか、端的に述べることができない苦しさがありました。例えば主催者であるか否か…これは理由にはならないと思っています。それではイベントへの責任を主催者だけに帰すことになってしまう。だけど辞退することは自分だけの問題ではないこともある。まとまりませんが、そんなことを考え続けた1ヶ月でした。

延期になったイベントのタイトル名は、岩谷姉妹に演奏していただく私の新作の作品名でした。バイオリンとチェロの二重奏、八木重吉の『秋の瞳』から五編の詩を主題に曲を書きました。私自身、初演の機会を楽しみに待ち望んでいましたが…いつか自信を持って「来てね」と言えるときに、必ずもう一度企画します。

9月、某所で演奏の予定がありましたが、そちらも辞退させていただきました。この状況下では対面の演奏会は控えることが社会に対しての誠実な在り方だと考えました。しかしそれは私個人の選択なのであって、正しいことだとは思っていません。(普遍的に正しいことだと言えない選択肢を決断するとはいったいどういうことなのでしょうか)

演奏活動をどのように続けるべきであるか、それは真剣に活動している全員が考え続けていることだと思います。折坂悠太さんのフジロック、それからニールヤングのファームエイド、それぞれ出演辞退の声明文を読みました。それからマヒトゥザピーポーの出演を前にしたテキストも。各々が葛藤を抱えて活動している様子が痛いほど伝わりました。折坂さんにとって憧れのホワイトステージだったと思います。その出演辞退は英断だったと言えるのかもしれませんが、しかし出演を選んだ人にも迷いや苦しみがあったはずで、どちらも責められるものではないと思います。

私は音楽以外に仕事を持っていて、幸いにも昨年の春からリモートワークで過ごしてきました。つまりライブができなくても経済的ダメージは深刻ではなくて(もちろんCDを作ったのにもっとも売れるチャンスである演奏会場で売れないといった影響はありますが)演奏活動が生活基盤の全てである方とは違う立場だと思います。例えばフジロックに出るといくらもらえるのか想像もつきませんが…そうして生活費を稼ぐことは、それも生存に必要なことです。一方で生活基盤が演奏活動にあるか否かにより判断基準を設けることは、これから生活基盤を演奏活動により成り立たせようとしている人のキャリアを奪うことにも繋がりかねません。

昨年の春から続くライブハウスや劇場、それから演奏者や役者さんや…つまりパフォーミングアーツ全般に関わる場所や人が受け続けた経済的なダメージ、決して十分とは言えない補助金の実情を鑑みると、こんな弱気で臆病なことばかり言ってはいられない…そんな背景があることも理解しているつもりです。それから各々が文化やエンタメの灯火を絶やさないために様々な取り組みをしていることも。それでも、日々伝えられる状況を目前に、やはり『来てね』とは言えなかった。これまでも配信があれば無理なく配信を勧めてきました。もちろん、配信とライブはまったく異なる体験なのですが…

先日、尾身会長は音楽ライブを、声を出さないといった感染防止対策を徹底した条件のもと、映画館や図書館、美術館と並んでリスクを抑えながら実施が可能であるという見解を示しました。私の考えていることはすこし慎重が過ぎるのかもしれない。

臆病なので文章を公開することは勇気のいることです。お前はいやいや演奏していたのかと問われれば「真剣に前向きに取り組んでいました」と返しますし、お前はライブをすることに何の躊躇もなかったのかと問われれば「葛藤がありました」と答えます。ただ自己批判の結果、小さな文章として考えたことを残すことにしました。

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