田村凌一さんの監督作品、『静かの海』がYoutubeで全編公開されている。
音楽は私と関向弥生さんのシーンごとの分担。
私も台本の読み合わせから立会い、熟考を重ねた音楽だった。
教室で女の子が教科書を読み上げるシーン。
表面上は穏やかな学校の生活だが、そこで読み上げられているのは宮沢賢治の無声慟哭。
この映画を前にして、小手先の技術から作られる音楽には何の力もないことに気づいた。
よくできただけの音楽を離れて ひと月の間、静かの海と向き合って
やっと書けたテーマは ドとレの 短2度。 それだけだった。