ポレポレ東中野で『人生フルーツ』を観た。

建築家として高度経済成長期に経済合理性の中で叶わなかった、理想の暮らしとその実践がいま注目を浴びていることは「スローライフ」の文脈に回収することもできるかもしれない。

ただ、中盤からはそんな理屈とは関係のない水準で頬を伝う涙が止まらなかった。

この映画はスローライフ推奨や田舎暮らしの礼賛ではない。
純粋な、身の回りの物事を原始に立ち返り丁寧に向き合う誠実な生き方の姿なのだ。

果物や野菜ひとつひとつ、あるいは小鳥の水場となっている水盤に立てられた小さな黄色い看板。

私たちは、そうやってひとつひとつの物事に、あの黄色い看板を立てることができているだろうか。

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