アンコールワット

先日、代々木にある「アンコールワット」というカンボジア料理専門店に行ってきた。お店の外観から相当に本場の味なのではないかと思ったが(そして本場の味を知らないので比較できないけれど)私たちの舌にも合う、とても美味しいお料理だった。

アンコールワットもそうだったのだが、インドカレーをはじめとする外国の料理屋さんは多くの場合、その国から従業員が働きにきていることが多い。そして彼ら・彼女たちはたいていにこやかに働いているものだ。

海外から働きに来る人はみんなにこやかに働いているものなのか。そう思ってみると、牛丼チェーンでは実につまらなさそうに不機嫌そうに働いていたりする。(私がそれで嫌な思いをしたりすることはないのだけれど)ただ、どうせ働くなら楽しく働いた方が幸せだろうな、と思うのだ。

どうせ働くなら楽しい方がいい。ただ、みんなが毎日をアンコールワットの店員のように楽しく働いて過ごせるものではない。むしろほとんどの人が毎日大変な思いをして働いているのだ。お酒を飲むのは楽しくて好きだけど、金曜の終電には一週間の辛さの変容が垣間見えて、すこし切なくなる。

さて、作曲も同じなのではないかと度々思う。芸術家の苦悩が礼賛されることが多いが、苦しむよりは素直に作れるものの方が良い。もしかすると、辛い思いをしてこしらえた作品は受け手にも不愉快な思いを与える可能性だってあるのかもしれない。

Manatee

Manateeというアンサンブルを仲間と作り、昨年から少しずつ練習を重ねている。正式に動くかわからなかったので書いてはいなかったけれど、もう夏前にはお披露目できる水準になってきた。

アンサンブルをはじめようと思ったきっかけは、去年の夏「静かの基地」のレコーディング。クリックに合わせて録り重ねるのではなく、同じ時間を演奏で共有するという体験が、演奏すること・音楽をつくることの原点に立ち返る試みへと向かった。

DTMで誰でもソフトシンセを立ち上げてオーケストラでもロックバンドでも作れるようになった。それはフランケンシュタインのようなものだ。別に広がる可能性があると思う。

練習の折、渋谷のサイトウスタジオが3月いっぱいで閉まることを知った。リハスタだけど機材を持ち込んでレコーディングに使ったこともあった。おそらく、まだ学生の頃。帰り道、宮益坂を下るとヒカリエの向こうに大きなビルが建っていた。昔、東急百貨店の屋上で動くパンダのおもちゃに乗る子ども達を横目にのんびり過ごすことにハマっていた時期もあったが、今はもうない。なじみの街の景色も書き換えられてしまう。

『スペースクラフトチルドレン』上映情報

田村凌一さんの監督作『スペースクラフトチルドレン』が映画少年短編映画祭Bブロックにノミネート、配信が始まりました。音楽は静かの基地で担当しています。

https://tv.rakuten.co.jp/static/cpn/ffm000028/

人生フルーツ

ポレポレ東中野で『人生フルーツ』を観た。

建築家として高度経済成長期に経済合理性の中で叶わなかった、理想の暮らしとその実践がいま注目を浴びていることは「スローライフ」の文脈に回収することもできるかもしれない。

ただ、中盤からはそんな理屈とは関係のない水準で頬を伝う涙が止まらなかった。

この映画はスローライフ推奨や田舎暮らしの礼賛ではない。
純粋な、身の回りの物事を原始に立ち返り丁寧に向き合う誠実な生き方の姿なのだ。

果物や野菜ひとつひとつ、あるいは小鳥の水場となっている水盤に立てられた小さな黄色い看板。

私たちは、そうやってひとつひとつの物事に、あの黄色い看板を立てることができているだろうか。

http://life-is-fruity.com/

ことばのおと

久しぶりにコンサートのお知らせです。

フライヤーデザインはふるくぼまゆさん。
(とっても可愛いイラストをありがとうございます!)

Happy New Ears!

昨年は大変お世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は、静かの基地として担当した映画音楽に始まり、春から梅雨にかけてSaravah東京でのピアノソロと教育関連の広告音楽。夏から冬にかけて静かの基地のレコーディングとリリース準備、年末は映画音楽(もうすぐお披露目!)。一度きりではなくこの先も続く出会いや試みに、今年も非常に楽しみにしています。

昨年末の大掃除(結局、途中で中断したのですが)で初めて断捨離というものを敢行しました。
なにぶん、あまりにも捨てられない性格なゆえに中学生の時にライブハウスでもらった謎のメロコアバンドの缶バッジなんかも全て無造作に仕舞ってある有様なのです。

捨てるか捨てまいか、と化石(例えば2009年のツタヤで借りたレシートを眺めながら、ああ震災前のレシートなのだなあと思ったり)と向き合う中で、結局不要すぎるものは捨ててしまったのですが、古い物に喚起されて立ち現れる過去はどれも反省が入り混じって、それはそれは感傷的なひと時でした。

大掃除のお供としてずっとラヴェルばかり聴いていたのですが、お気に入りのひとつが古風なメヌエット(Menuet Antique)。

そしてふと、私もここ最近古めかしいものへの興味が芽生えているな、と思ったのです。例えば、夏のレコーディングで訪れたecho and cloud studioの松井さんが乗っていらっしゃる素敵な(しかし、それは古めかしい)ボルボの車。2月のライブで演奏予定の古いピアノ(100年ものとのこと!)。たまに行きたくなる渋谷の名曲喫茶ライオン。そして、突然ハマったペリカンのおもちゃ万年筆。

けれど、古い車にはない最新テクノロジーで防げる事故もたくさんあるし、私だってiPhoneを持っていて、音楽はLogic Proでこしらえています。ただ、古いものと向き合うことはテクノロジーと向き合うことのコインの裏表のようなもののように感じるのです。(ラヴェルがいにしえの音楽に関心を持ちながら新しい音楽を作ったように)

故きを温ねて新しきを知る。音楽は道のようなもの、今年も邁進してまいります。

まずは、今年は静かの基地のアルバムが発売になります。
演奏活動は2月から。もうすぐアナウンスできるはずです。

ことばのおと

2018.2/24(土)@中目黒under the mat

朗読と演奏「ことばのおと」

open 14:00 / start 14:30(途中休憩有り)
¥1500(小中高生¥500)+1drinkオーダー※未就学児無料
出演:静かの基地(堀坂有紀、田中慎太郎)、平岡美保(ブルドッキングヘッドロック)

冬のお話や動物のお話、大人も子どもも楽しめるようなお話を集めました。
演奏と声とお話、ごゆっくりとお楽しみください。

ダンス・ダンス・ダンス / 眞田風雲録

様々な国の音楽を紹介するサイトbeehypeにて、「静かの基地」でコーラス参加した毛玉というバンドのアルバムが紹介されています。
http://beehy.pe/kedama-shiawaseno-maho-japan/

コーラス参加曲「ダンス・ダンス・ダンス」のPVも素晴らしいので、ぜひご覧ください。

 

昨日は青年座スタジオ公演「眞田風雲録」へ。
音楽劇ということで、ステージ奥には生演奏のトリオ。
(緊張感が持続した見応えのある舞台でした。)

静かの基地、少しずつアルバムお披露目に向けて準備中です。

News Dec-06-2017

音楽を担当したアプリ「SUM!」が「センス・発想・思考力が育つアプリ」としてプレジデントの姉妹紙、プレジデントFamilyにて特集されています。BGMへの言及もあって嬉しい限り。
プレジデントFamilyは本日発売です!

『静かの海』のこと

田村凌一さんの監督作品、『静かの海』がYoutubeで全編公開されている。

音楽は私と関向弥生さんのシーンごとの分担。
私も台本の読み合わせから立会い、熟考を重ねた音楽だった。

教室で女の子が教科書を読み上げるシーン。
表面上は穏やかな学校の生活だが、そこで読み上げられているのは宮沢賢治の無声慟哭。

この映画を前にして、小手先の技術から作られる音楽には何の力もないことに気づいた。

よくできただけの音楽を離れて ひと月の間、静かの海と向き合って
やっと書けたテーマは ドとレの 短2度。 それだけだった。

Page 1 of 6

Powered by WordPress & Theme by Anders Norén